有栖川有栖
良くも悪くも当たり外れがないというのが有栖川有栖の印象ですね、定期的に本が出ていることは 素晴しいと思います。 濃い薄いをとやかく言えるのはまず本ありきですからね。 有栖川有栖ベストは「スイス時計の謎」、 フーダニットってこういうことなのかって、今更ながら初めて理解した作品。


「乱鴉の島」(新潮文庫)
折角の休みに有栖川を誘って行って来いと火村に進言したお婆ちゃんの真意を汲みかねます、お婆ちゃんも婦女子なのか?
部外者である自分の言葉を納得させるために外堀を延々と固めながら論理を展開していく火村先生と、 集まっている人たちの秘密を思い込みであれこれと詮索して切れられるお友達の有栖のバランスがいい。

「モロッコ水晶の謎」(講談社文庫)
今回も気持ちいいほど有栖川有栖でした。 推理合戦でのトンチが聞いた小噺とモロッコ水晶の犯行へ 奮い立たせた動機?の突き抜けっぷりに驚嘆、こういうのがあるからついつい新刊出ると買ってしまうんですよね。 

「白い兎が逃げる」(光文社文庫)
時刻表モノはダイニングメッセージモノと並んでミステリの中では嫌いなジャンルなんですね。  今作では関空、新大阪と地元で少しは親近感も抱くけども、全く知らない土地の電車乗り継ぎになるともうほんとさっぱりです。  正しい見方はやっぱり時刻表片手にあれやこれやと読むのが正しいのでしょうか、好きな人は楽しそうな作業ですが、 もうほんとさっぱりです。

「スイス時計の謎」(講談社文庫)
気持ちいいほど真っ直ぐでど真ん中ストライクですね。 常々この人を読むとそろそろ古典に手を出して みようかなと思い始めてみたりするんですが、結局手を出さずじまいになってしまうんですね、でも今回はタイミング的に 行けそうかもしれません、行かないかもしれません。 とりあえず今読んでいる分が終った時のテンションかな。

「マレー鉄道の謎」(講談社文庫)
何時以来でしょうか、結構久し振りの長編ですね。 帰国期限が決まっていたり、ホームグランド じゃないのでイマイチ協力的じゃなかったり(それでも部外者にしては十分ですが)と結構緊迫感があって中々のモノでした、 久し振りの当りって感じです。 ソレニシテモあの二人はチョットどころじゃなく、それはもうもっさ妖しい空気を撒き散らして ますよね、これじゃ婦女子も飛びついても仕方ないと妙に納得しつつ。

「作家小説」(幻冬舎文庫)
ミステリ有りホラー有りブラックユーモア有りと幅広い内容となっておりますが‥読了→感想UPの間に 風邪・もう一冊読了とイベントが重なってしまったので特筆すべきことも無く、裏を返せば‥そんな感じです。

「絶叫城殺人事件」(新潮文庫)
では恒例の奴でも。 1-二十の扉は良かったけど少し後味悪りぃ‥時に残酷です。  2-コメディとシリアスの紙一重。 3-みんな同じに見えるのにそんな洒落た名前が。 4-コレマタ後味が‥ コントみたいな出来事がホンマに現実に? 5-単純な出来事がしょうもない欲で。 6-なんていうか激しく同意です、 壊れたレコードのようにありきたりな台詞は聞き飽きました、もっとオリジナリティを。

「暗い宿」(角川文庫)
前回で味を覚えた(意外に楽)ので一口メモで。 暗い宿:手元に置いときたい気持ちは分からんでもない。  ホテル:良い雰囲気やったのに後味がぁ‥。 異形:気持ちの問題やけどそう簡単に切り替えられたら世の中ツマンナイ。  201:火村先生大立ち回り。

「幽霊刑事」(講談社文庫)
衝撃のラスト(とその演出)は圧巻。 でも休憩時間、しかも時間ギリギリで読み終えたのでも うちょっと味わって行間(余白?)を読みたかったな〜。 中途半端な夢オチとかハッピーエンド(これも一応ハッピーエンド かな?)にならなくて良かったと。

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