「ユージニア」(角川書店)
まさに恩田陸という感じの物語でした、こう真綿で絞められているような不安な感じ、結局最後まで続いた不安定感が
拭えずに読了と。 あらすじを読んでこんな感じかなと思っていた第一印象とは若干違った状態でのスタートでした。
提供された謎がほぼ全てそのままに謎で終わるんですが、なんとも気持ち悪い読後感ですね、なんか最近この人
こんな感じが多い気がしません? 悪く言えば投げっぱなしジャーマン。 まぁ放り投げ出されるプレイは慣れているんで構わないんですけども。
大人しく雰囲気を楽しめばいいんだと思うんですけど、フワフワフラフラした感じがなんか感じ悪いんです、
かといってダークな感じでもないし、まさに不安感を刺激されているみたいな。
自分には合わなかったとしか言いようがないです。 どうも当たり外れが激しいような気がします、むずい。 「Q&A」(幻冬舎文庫)
見事にモヤモヤが残りました、そんな感じになると思っていましたけど、さてどうしましょ。
収束していくかと思いきや広がったり飛んだり回ったりと、ん〜やっぱりモヤモヤとしか言えないです。 「クレオパトラの夢」(双葉文庫)
殺人事件が在るから名探偵が現れるのではなく、名探偵が在るから殺人事件が起こるのです、
だから本当に回避すべきは名探偵、って皮肉を思い出した物語です。 火の無い所に煙を立たす方法ですね。 「MAZE」(双葉文庫)
ちょっと結末が尻すぼみと言いますか、綺麗に収まってしまったと言いますか、最後の手前まで
グイグイ読んでたのに、すべての謎がきっちり解明されてしまったことが不満というのもおかしな話ですが。 いっそのこと
ホラーかSFでもよかったと思ったり思わなかったり。 「球形の季節」(新潮文庫)
俗(オタク)な言い方をすると世界の敵の誕生物語?、有体に言えばどこにでも転がっている青春物語。
ともあれ文庫本ってこんなに軽かったのかとふと思い出したりと。 「図書室の海」(新潮文庫)
小夜子番外編に惹かれたワケで、相変わらずゾクゾクする文章ですね。 そして相変わらずのパッと
しない感想。 「三月は深き紅の淵を」(講談社)
こんな本の感想をカッコ良く書ければなんて思うんですが、書けないものは書けませんし、だから
ナカナカ大っぴらにすることも出来ませんと。 とりあえずキーワードが内と外で、今作のみを読んだだけではダメ
(じゃないけど勿体無い?)らしいとのことですか。 「虹と雲と鳥と」の残酷さ、無慈悲さ加減が好きです、久し振りに
読了後なんとも言えない感じ(例えるなら幽白の鴉の台詞)になりました。 「puzzle」(祥伝社文庫)
今度は見逃しませんでしたよ関根お兄ちゃん。 と言うか秋くん(当然沙世子もセットで)が出てくる
お話はあるんでしょうか?案外知らないだけのパターンだったりもするんでしょうけど。 中編ならではのスピード感が
イイのです。 とりあえず以下ネタバレ「 」「象と耳鳴り」(祥伝社文庫)
内容云々は省かれた感想:初めは渋いお爺さんが主人公の物語としか捉えていなかったけれど‥
あとがきでもたらされた衝撃の事実によってこうも印象が変わるものなのかと。 たんに自分の記憶力のなさがいけないの
ですが‥ともかく油断大敵の意味を知ったそんな作品。 「ドミノ」(角川文庫)
どこにでもある日常をただ描いているだけなのにこんなに面白いとは、まだまだ視界が狭いんやね、
もっと広く広く見ていこうと思いつつ。 第一印象では登場人物が多過ぎではないのか?覚え見分けられるのか?と不安も
ありながら、でも当たり前のようにそれぞれの人物のイメージが浮かび上がってくる、これが人物を描くってことなのかぁ
としきりに感心。 「六番目の小夜子」(新潮文庫)
え〜昔某NHKでドラマ化してたヤツですよねコレ、懐かしく思い出しつつ感想:最後の台詞が好きです、
本編の大筋では「吉凶で合格率が決まるだから今年のサヨコを頑張る」的な話でしたが、また違う伝承では「合格率で今年の吉凶を
決めてる云々」ってヤツ、結局この言葉に尽きると思ったりと。 要は気の持ちようやね。 以下ネタバレ「
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