島田荘司
島田荘司ってもう切っても切れない存在ですね、自分がミステリ読みになった要因のど真ん中にがっちり 聳え立っている、そんな存在。 ミステリ買うときの基準が島荘が絡んでいるか絡んでないかで選んでたなんて、若かったな 昔は。 読み始めた(十数年前)時点でもう大量に出回っていたから、ひたすら買い漁っていたあの頃の情熱はもう真似出来 ないだろうし、今ならもうしないでしょう。 ナニハトモアレ、大掛かりで大味、それが島荘の印象です。 島田荘司ベストは 「異邦の騎士」、彼がもう切ないです。


「リベルタスの寓話」(講談社文庫)
前の本を読了してから読み始めたのでおよそ3ヶ月かけてじっくり読んでました、 そんな感じで飛び飛びになってしまったのでおおよその流れすらあまり思い出せない、どこかでもう一度再読しよう。
とりあえず御手洗さんが外国で新しい助手といちゃいちゃしているけど石岡くんはひとり日本で御手洗さんを待ち続けるという相変わらずそんな話。

「UFO大通り」(講談社文庫)
原点回帰。
しかし時系列飛びまくりですね、きちんと年表追わなくても特に支障がないんでしょうけどもどうも気持ち悪い。
◆UFO大通り
そうですこういう奇想天外な御手洗さんが読みたいんですよ、奇妙奇天烈な出来事を破天荒な御手洗さんが石岡君を 振り回して大暴れするドタバタ劇が大好きです。 蜂のアナフィラキーショックを宇宙戦争まで膨らませるのが素敵。
◆傘を折る女
やばい、昔ハムスターに思いっきり指が千切れるかと思うほど噛まれたことがあります、 もう一度噛まれると死んでしまう恐れがあるのか、ピンチだ。

「最後の一球」(文春文庫)
もはや流石としか言えません。
事件が始まって4分の1ぐらいでいつものアレが挿入されます、本格よりもどちらかというと社会派よりな今作、 全てを語り終わった後にふらっとやって来る御手洗さんがどうしようもなく凄いというか面白いというか、 何もかも見抜いてそこからコツコツ調べてあそこまで辿り着くのはもう凄いよねとしか。

「摩天楼の怪人」(創元推理文庫)
珍しく後書きが。
それにしても手こずった、相変わらず横文字の名前が苦手なままでした、もう誰が誰やらと毎回書いている気がします。  もう一生克服できないと思いますから騙し騙し読んでいくしかないですね、今は残念ながら御手洗さんが外国に住んでますからね、 この状況は暫く続くんでしょうし。
摩天楼を散歩するシーンを本気で想像して死にそうになった、いやむりですあれは。  あの御手洗さんに無理矢理嫌々空中散歩を付き合ったジェイミーは凄いすけど、やっぱりどことなく石岡君臭が漂います、 まぁあの人に関わったら大抵の人はそうなりますと思います。

「犬坊里美の冒険」(光文社文庫)
ある意味里美ちゃんが島荘に侵されていく。
さあ衆人観衆の中での死体消失で島荘とくれば、ダイナミックなものをかなり期待していたのですが。  冒頭から旅情ミステリっぽくて少し懐かしい空気がよかったですね、しかしあの寄り道のあの伏線にはやられました、やっぱり凄いすよ。  石岡君も里美ちゃんが落ち込んだときに電話でアドバイスできるようになったなんて偉くなったものです。
いつもの冤罪問題に、何て書いていいか難しい添田女史とその上司、この辺りの安定感は相変わらずですね。
同期もそれなりに投入されましたし、検事編裁判官編と里美ちゃんがどう成長するのか、 石岡君の出番がどれだけあるのか楽しみ。

「帝都衛星軌道」(講談社文庫)
単なる誘拐事件が蓋を開けてみれば物凄いところに着地したねと、この無理矢理なダイナミックさが島荘っぽく好きです。  いつもの冤罪、いつもの見下し、東京の地下の秘密、と盛りだくさんでした、そして後味のやるせなさは最高。
あいだに挟まった「ジャングルの虫たち」もまた面白く、あれだけ人を欺き金を騙し取り続けていた軍司純一が、 結局ホームレスになり病院に弄ばれてひっそりと死んでいった、結局小さなどうでもよかった何ともいえない空気感がいいすね。

「エデンの命題」(光文社文庫)
ミステリというよりサスペンスよりで、しかもシリーズ物でもありません、そういうのを期待している人は スルーしてもいいんじゃない。 手を出してみて読了後なんか賢くなったように錯覚してみてもいいんじゃない。
個人的に島荘の印象と言えば大味、大きく広げた謎がいい感じに強引に収束する過程を読んで楽しむのもだと 思っているんですけど、今作は悪く言えば普通、エデンの命題はクローン人間やら旧約聖書まで出てきたのに綺麗に纏まって過ぎてて、 変な意味で期待外れでした。
中編が2作の中編集だから気軽に読めるのはいいんじゃないかと。

「龍臥亭幻想」上・下巻(光文社文庫)
上巻での締めのありきたりな決まり文句、ここまでは単なる序章に過ぎないに辿り着くのに 結構時間がかかってしまうま。 忘れん内にちゃっちゃと下巻に手を出さんとチンプンカンプンになるお約束は なんとしても回避したいですね。 当然龍臥亭事件はイマイチ覚えていない体たらくぶりを発揮、登場人物を ほとんど覚えていない自分が哀しくもあったりです。
下巻を読了したものの正直言って若干不満です、話の流れとかナンヤカンヤは相変わらずの 島荘っぽくて良いんですが、帯の文句に異常に反応してしまって妄想膨らんだのが敗因ですね。 まぁ近い将来二人が 直接出会う物語を読めることと、そしてこれで石岡君復活することを夢見て次へ。

「光る鶴」(光文社文庫)
てっきり前作で吉敷シリーズは終了と勝手に思い込んでました。 光る鶴で九州で行ってるのに そこで出さずに、書き下ろしでメインにしている少し捻くれた感じが良いです。 ん〜勿論途中まで留井さん初登場と 信じて疑わなかったですよ、今回はなんとか吉敷竹史登場前に、そういえば昔事件で九州行ってたなと思い出した、 そんな感じです。

「ネジ式ザゼツキー」(講談社文庫)
御手洗さんってこんなキャラでしたっけ?なんかわりと常識ある感じになってますけども。 それにしても情報収集にインターネットって安楽椅子探偵もその助手も随分楽になったものですね、 椅子に座りながら世界中の情報に触れられるんですものね。 なんとなしに京極堂シリーズから普通の文庫に 移行する間に挟むには丁度いい厚さ。

「上高地の切り裂きジャック」(文春文庫)
やっぱり御手洗石岡コンビはイイなんて堪能しながら読み進めていって、最後の最後で 持ってかれてしまった、そんな感じ。 それにしても、あんなにずっと一緒にいて一番近くで御手洗さんの活躍を 見てきたはずの石岡君が、未だに御手洗さんの言動に振り回されている、それこそが石岡君のチャームポイントですな。

「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」(角川文庫)
やっぱり石岡君がいないとピリッと締まりませんよね。 折角時期を見合わせて 発売されたのにクリスマス過ぎてから読み始め正月に読了、そんな年初めでした。

「魔神の遊戯」(文春文庫)
首を長く長くして待っていた御手洗シリーズなのですが、残念です石岡君‥。 もう少し大味なモノを 期待していた自分に読了してから気付きました、何故だろう?。

「ロシア幽霊軍艦事件」(角川文庫)
ベタな言い方をすれば良くも悪くも島荘〜って感じです。 基本的にネタバレしない感想がスマートで カッコイイと思いつつ、でも現実は以下ネタバレです。 「御手洗モノ(=ミステリ)を期待して読んでいたのですが最終的には 歴史小説だったわけです、それでも面白かったのが冒頭の台詞へと。 正直アナスタシア関連の話はよく知らなかったのですけど、 とある作家のとある一作目もアナスタシアが関っていたことに‥なのです。 ちゃんの読んだのかと自分を問い詰めることに でもしましょう。

「ハリウッド・サーティフィケイト」(角川文庫)
読破するのに一ヶ月ほどかかってしまってます、遅いですね。 休憩時間にチョコチョコ読んでた うえに横文字の名前覚えるのが苦手な欠点がありますのでより遅く、より分かり難かったのです。 では感想:レオナは 加納道子になんか似てると思いましたけど今更な意見ですか? もしそうだとしたら救えるのは御手洗さんしかいないけど 忙しそうですし‥ソレハサテオキこの作品には御手洗さんは登場しないと勝手に決め付けて読んでいましたから、 出て来た時はめっちゃ興奮しましたね。 龍臥亭みたくアドバイザーな立場でしたけど、今回ちゃんと会話もありましたし ソウイエバこの二人は何語で会話してるのかなと、やっぱり英語ですかね。 最期に、もう少しで終わる〜と読んでいたら 最後の最後に衝撃の一文が‥正直二年も覚えている自信が無い‥

back top

inserted by FC2 system